司法書士法人 貝原事務所(沼津市の司法書士)

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本ブログに記載する情報(とくに法律・登記関係)の利用については、あくまで参考としてご活用ください。
弊所が情報の完全性を保証するものではありませんのでご留意ください。

 

登記委任状への記名と署名と捺印

権利に関する登記を代理人による申請の場合に、署名・捺印・記名はそれぞれどの書類について必要とされるか。

 

1.申請情報への記名押印

不動産登記令(平成十六年政令第三百七十九号)

第十六条 

申請人又はその代表者若しくは代理人は、法務省令で定める場合を除き、申請情報を記載した書面に記名押印しなければならない。

2 前項の場合において、申請情報を記載した書面には、法務省令で定める場合を除き、同項の規定により記名押印した者(委任による代理人を除く。)の印鑑に関する証明書(住所地の市町村長(・・・)又は登記官が作成するものに限る。・・・。)を添付しなければならない。

 

 (おまけ)

第十二条 

電子情報処理組織を使用する方法により登記を申請するときは、申請人又はその代表者若しくは代理人は、申請情報に電子署名(・・・)を行わなければならない。

2 電子情報処理組織を使用する方法により登記を申請する場合における添付情報は、作成者による電子署名が行われているものでなければならない。

 

 

 

2.委任状への記名押印

第十八条 

委任による代理人によって登記を申請する場合には、申請人又はその代表者は、法務省令で定める場合を除き、当該代理人の権限を証する情報を記載した書面に記名押印しなければならない。復代理人によって申請する場合における代理人についても、同様とする。

2 前項の場合において、代理人(復代理人を含む。)の権限を証する情報を記載した書面には、法務省令で定める場合を除き、同項の規定により記名押印した者(委任による代理人を除く。)の印鑑に関する証明書を添付しなければならない。

  

 

3.上記2における、「記名押印」を要しない場合

「記名押印」ではなく「署名」すればOKとされる場合。

不動産登記規則(平成十七年法務省令第十八号)

第四十九条 

令第十八条第一項の法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。

一 申請人又はその代表者若しくは代理人署名した(・・・)委任状(・・・)について公証人又はこれに準ずる者の認証を受けた場合

二 申請人が第四十七条第三号イからホまでに掲げる者のいずれにも該当せず、かつ、当該申請人又はその代表者若しくは代理人が委任状に署名した場合

【※たとえば、所有権登記名義人かつ登記義務者。提供すべき登記識別情報を提供せずにする登記義務者。登記識別情報の通知を受けることとなる申請人など。規則47条3項のアレ。】

三 復代理人によって申請する場合における代理人(委任による代理人に限る。)が復代理人の権限を証する書面に署名した場合

  

 

4.上記2における、「印鑑証明書の添付」を要しない場合

記名押印した者は、その押印した印鑑について証明書添付をもとめられるところ、これが不要とされるケース。

不動産登記規則(平成十七年法務省令第十八号)

2 令第十八条第二項の法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。

一 申請を受ける登記所が、添付すべき印鑑に関する証明書を作成すべき登記所と同一であって、法務大臣が指定した登記所以外のものである場合

二 申請人又はその代表者若しくは代理人記名押印した委任状について公証人又はこれに準ずる者の認証を受けた場合

三 裁判所によって選任された者がその職務上行う申請の委任状に押印した印鑑に関する証明書であって、裁判所書記官最高裁判所規則で定めるところにより作成したものが添付されている場合

四 前条第一項第四号及び第五号に掲げる場合

【4号は、合筆等の場合を除き登記識別情報の通知を受ける場合、5号は義務者が所有権登記名義人でない場合等。規則47条3項のアレ。】

五 復代理人によって申請する場合における代理人(委任による代理人に限る。)が復代理人の権限を証する書面に記名押印した場合

  

 

5.日本国籍でない方について

(1)そもそも捺印の必要があるのか

署名のみで足りるとされる。もちろん捺印しても良い。下記、法律により署名のみでOKとされるが、とはいえ署名の真正については別途先例でフォローされている。 

外国人ノ署名捺印及無資力証明ニ関スル法律(明治三十二年法律第五十号)

第一条 

法令ノ規定ニ依リ署名、捺印スヘキ場合ニ於テハ外国人ハ署名スルヲ以テ足ル

2 捺印ノミヲ為スヘキ場合ニ於テハ外国人ハ署名ヲ以テ捺印ニ代フルコトヲ得  

(2)印鑑証明書の発行を受けられる場合

先述の規定に従い記名押印し、印鑑証明書を添付すればOK(昭和35年4月2日民事甲787回答)。

(3)印鑑証明書の発行を受けられない場合

委任状に自署し、本人の自署であることについて本人所属国の官権等の証明を受ける(昭和34年12月14日民事甲2838回答)。

 

 

6.印鑑証明書の発行を受けられない在外日本人について

日本人である以上、記名押印が必要となれば、記名押印しなければならず、かつ当該印鑑について印鑑証明書が必要になる。

(1)

署名した委任状について(日本の)公証人の認証を受ける(昭和58年5月18日民三3039号回答。規則49条1項1号ではないのか?)。

(2)

印鑑証明書にかえ、委任状に署名拇印し、当該署名拇印が本人によるものであることについて在外領事の証明を受ける(昭和36年1月16日民事甲109回答。これは規則49条2項2号の延長線上にある?)。