司法書士法人 貝原事務所(沼津市の司法書士)

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戸籍謄本集め 1カ所で請求可能に

(ゼロから解説)相続時の戸籍謄本集め 1カ所で請求OKに 24年から手続き簡略化 :日本経済新聞

 

1.現状

戸籍の請求に際しては、本籍地の市町村に対して、戸籍を請求する必要があります。

そのため、たとえばAさんの本籍地が、出生から死亡までに

三島市駿東郡清水町→沼津市富士市と変遷している場合、

「Aさんの相続手続きの際に必要な戸籍」を集めるためには、

それぞれの市町に戸籍の請求をする必要がでてきます。

 

2.問題点

(1)郵送請求

近隣市町であれば、自ら出向いて請求をしてもよいのですが、

遠方の市町村となると、そうもいきません。

そんな場合には、戸籍を郵送請求します。

請求先の市役所の住所を調べて、

請求書をダウンロードして、

郵便を投函して・・・

(2)「郵便小為替」!

戸籍の発行には費用がかかります。

窓口に請求すれば、その場で現金で支払をし、ことは済みます。

しかしながら、郵送で請求する場合には、

現金を同封するわけにもいきませんので、

ほぼすべての自治体が「郵便小為替」での支払いを要求しています。

「郵便小為替とは何ぞ?」と思われる方が多いと思いますが、

郵便局で発行してくれる小為替で、

額面ごとに用意されている小為替1枚の発行を受けるのに、

手数料が100円かかります。

(3)権限確認書面

戸籍の請求に際しては、窓口に来た当人がどのような権限で戸籍を請求するのか、みずからの「請求権限」を示す必要があります。

郵送の場合にも同様です。

自分が何者であるか(免許証等のコピーを同封)、

自分がなぜ戸籍を請求できるのか(自らの戸籍謄本等を同封)、

これらを示す必要があります。

直系尊属直系卑属であれば、それほど苦労はないかもしれませんが、

兄弟姉妹になると大変です。。。

 

3.法改正で改善される!?

 (1)

相続手続きに際して、一般の方がつまづく、最初の難関が

「戸籍集め」です。

従前は、「戸籍を読み解くのが難しい」とされてきましたが、

最近は各市町村の窓口業務が丁寧になったおかげで、

かりに当該市町村で「相続手続きに必要な戸籍」が集められなくても、

つぎに「どの市町村に」「どのような戸籍を」請求すればよいのか、

案内してくれるようになり、その点で迷う方は少なくなったように思います。

しかしながら、「戸籍集め」を難しくする「本籍地のある市町村に請求しなければならない」という点は、そのままとなってきました。

(2)

これが、今回の法改正で、自分の市町村の窓口で、全国の戸籍が請求できるようになるというのです。素晴らしい!

とはいえ、請求可能な戸籍については、つぎの範囲に限定が付されるようです(詳細は、末尾にリンクを記載した別稿参照。)

戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)
第十条 戸籍に記載されている者(その戸籍から除かれた者(・・・)を含む。)又はその配偶者、直系尊属若しくは直系卑属は、その戸籍の謄本若しくは抄本又は戸籍に記載した事項に関する証明書(以下「戸籍謄本等」という。)の交付の請求をすることができる。

(3)

全部の戸籍について、一つの市町村から請求できるようにしてほしいものですが、まずは、改善の第一歩といったところでしょうか。
司法書士としても、この「戸籍集め」というのは非常に手間のかかる作業でした。
こうした法改正が行われることで、より士業(事務所)としての生産性・効率性を向上させることができると思うので、一刻もはやく実現してほしいものです。

 

※改正案については別稿にて。

法務省:「戸籍法の改正に関する要綱案」(平成31年2月1日決定)

 

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