司法書士法人 貝原事務所(沼津市の司法書士)

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本ブログに記載する情報(とくに法律・登記関係)の利用については、あくまで参考としてご活用ください。
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不動産の生前贈与(特別受益と遺留分)

生前贈与と関係して、「特別受益」という言葉を知っておきましょう。

特に、「不動産の生前贈与」を希望されるお客様にとっては、遺留分特別受益の関係を正しく理解していないと、思わぬ結果(あるいは相続紛争)を招来することになりかねません。

「不動産の生前贈与」を検討されている方は、専門家への相談を強くお勧めします。

 

1.条文

民法(明治二十九年法律第八十九号)
第九百三条 
共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、前三条の規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。
2 遺贈又は贈与の価額が、相続分の価額に等しく、又はこれを超えるときは、受遺者又は受贈者は、その相続分を受けることができない。
3 被相続人が前二項の規定と異なった意思を表示したときは、その意思表示は、遺留分に関する規定に違反しない範囲内で、その効力を有する。

 簡単に言えば、「遺産の前渡し」といえるような贈与等が共同相続人のうちの誰かに対してあった場合には、そうした贈与等を含めて遺産分割協議をしなさいね、ということです。

単なる贈与では足りず、条文の言葉を使えば「生計の資本としての贈与」ということになります。

何が「生計の資本」に該当するのかというのは、被相続人(亡くなられた方)の財産状況から個別具体的に判断されます。

そのため、非常に「争いの種」になりやすいのです。

しかもやっかいなのは、特に期間制限が設けられておらず、さかのぼろうと思えば非常に昔の贈与を「特別受益」とすることもできるのです。

 

2.持ち戻しの免除

「ちょっと多めに贈与してあげよう」というときには、上記条文の3項でいうところの「持ち戻しの免除」をしてあげましょう。

そうすることによって、対象となる贈与は、遺産分割協議の中では考慮する必要がなくなります。

 

3.とはいえ遺留分には通用しない

しかしながら、遺留分(相続人が有する最低限の取り分)に対しては、上記の「持ち戻しの免除」も効きません。

したがって、遺留分を侵害するような生前贈与を行う場合には、往々にしてその贈与が特別受益に該当し、かつ遺留分算定において考慮対象となるのです。

以下の裁判例が重要です。

最判平成10年3月24日

民法九〇三条一項【特別受益】の定める相続人に対する贈与は、右贈与が相続開始よりも相当以前にされたものであって、その後の時の経過に伴う社会経済事情や相続人など関係人の個人的事情の変化をも考慮するとき、減殺請求を認めることが右相続人に酷であるなどの特段の事情のない限り、同法一〇三〇条【遺留分の対象となる贈与】の定める要件を満たさないものであっても、遺留分減殺の対象となる。

 

4.不動産の生前贈与の評価

多くの方にとって「不動産」は重要な財産です。

そうした重要な財産を生前贈与することは「遺産の前渡し」(=特別受益)と評価できるケースがほとんどでしょう。

そうなれば、どれほど前に贈与が行われていようが、遺留分の対象となりうるのです。

 

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