司法書士法人 貝原事務所(沼津市の司法書士)

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登記原因日付より前の委任

通る通らないの話はさておき、すこし考えてみた。

単に委任の日付の問題ではなく、本人確認や着金確認との兼ね合いもあるのかな。

 

0.

平成29年12月23日に売買契約が締結された。

当該売買契約において、代金決済(および所有権移転・移転登記申請)は、契約締結の日から2か月以内とされた。後日、代金決済は平成30年2月15日と決定した。

このようなケースで、平成30年1月30日付の所有権移転登記申請に関する委任を受けた場合に受任者は、平成30年2月15日売買による所有権移転登記申請を行うことができるのか?

(当日の代金の支払いおよび受領は、適式に行われたとして。)

 

1.

登記先例解説集No.361.78以下の質問3に対する回答

(1)移転原因より委任日が前だからといって直ちに却下という話にはならない。

(2)実体的に所有権を移転する日が平成3年1月19日となるという趣旨で契約されているのであれば、平成2年11月20日くらいに委任された委任状でも差し支えない(委任状には「平成2年11月20日付売買契約に基づく所有権の引き渡しおよび売買代金の授受ならびにこれに伴う平成3年1月19日売買を原因とする所有権移転登記申請に関する一切の件」と記載されている前提。)。

 

2.

上記をふまえて月報司法書士No.511.53。

日本司法書士会連合会 | 特集~損害賠償の考え方

http://www.shiho-shoshi.or.jp/cms/wp-content/uploads/2014/03/201311_09.pdf

上記質疑応答により登記原因日より前の日を委任日とする委任状が問題になることはなくなった。

ただし、委任状が登記原因証明情報の記載を援用した内容となっている場合、登記原因証明情報が完成するのは登記原因日以降であり矛盾するということで不可。

委任状に、すべての登記事項が記載されている場合と考えるべき。

 

3.

1の質疑応答は、それほどズバッと答えているようには思えないのですが、とにかく日付の前後だけで判断はされない。

売買による所有権移転登記であるとの前提だと、委任状と同時に提出される登記原因証明情報(報告形式)の作成日付は登記原因日以降となり、かつ大別次の2つにわかれるはず。

(1)売買契約同日に決済(所有権移転)

(2)売買契約の後に、代金決済をし、決済時に所有権移転

1(2)をみると、3(1)はどうなのだろうか(不可か?「くらい」って前後ということ?)

また1(2)の記載には「代金授受」に関する記載が含まれているけれど、代金授受について委任を受けることはないのではないか?2の記事によれば、登記事項が書いてあればOKとのことだが。