司法書士法人 貝原事務所(沼津市の司法書士)

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本ブログに記載する情報(とくに法律・登記関係)の利用については、あくまで参考としてご活用ください。
弊所が情報の完全性を保証するものではありませんのでご留意ください。

 

仮登記について(総論的なところ)

1.仮登記とは

後日の本登記(対抗力を備えた登記)のため、予め登記順位を保全するもの。

1号仮登記:物権変動が生じている場合

2号仮登記:物権変動を求めることができる債権的な請求権の保全を必要とする場合 

不動産登記法(平成十六年六月十八日法律第百二十三号)

第百五条  

仮登記は、次に掲げる場合にすることができる。

一  第三条各号に掲げる権利について保存等があった場合において、当該保存等に係る登記の申請をするために登記所に対し提供しなければならない情報であって、第二十五条第九号の申請情報と併せて提供しなければならないものとされているもののうち法務省令で定めるものを提供することができないとき

二  第三条各号に掲げる権利の設定、移転、変更又は消滅に関して請求権(始期付き又は停止条件付きのものその他将来確定することが見込まれるものを含む。)を保全しようとするとき。

第三条  

登記は、不動産の表示又は不動産についての次に掲げる権利の保存等(保存、設定、移転、変更、処分の制限又は消滅をいう。(・・・)。)についてする。

一  所有権

(・・・)

七  抵当権

八  賃借権

(・・・)

(以下、法律名の記載のない条文は不動産登記法) 

 

2.1号仮登記

不動産登記法105条にいう「提供しなければならないもの」とは?

不動産登記規則(平成十七年二月十八日法務省令第十八号)

第百七十八条  

法第百五条第一号 に規定する法務省令で定める情報は、登記識別情報又は第三者の許可、同意若しくは承諾を証する情報とする。

なお、印鑑証明書は該当しない(昭和29年10月5日民事甲2022通達)。

また、あくまで許可書等の書類が添付できない場合にするものなので、許可自体が取得できていない場合には2号仮登記をすべき事案となる。

 

 

3.2号仮登記

例:

原因 平成○年○月○日 売買予約

原因 平成○年○月○日 売買 (始期 平成○年○月○日)

原因 平成○年○月○日 売買 (条件 農地法第3条の許可)

 

 

4.仮登記の効力

順位保全効。「本登記の順位は、仮登記の順位による。」 

第百六条  

仮登記に基づいて本登記(仮登記がされた後、これと同一の不動産についてされる同一の権利についての権利に関する登記であって、当該不動産に係る登記記録に当該仮登記に基づく登記であることが記録されているものをいう。以下同じ。)をした場合は、当該本登記の順位は、当該仮登記の順位による。

仮登記に対抗力はないが、仮登記による本登記は、仮登記の順位を引き継ぐ。そのため、当該本登記(見た目としては「仮登記」)に遅れる登記に対して優位となる。

とはいえ、仮登記自体に対抗力はないので、仮登記から本登記をするまでのあいだは仮登記権利者が劣後するケースもある(遡及効はない。)。 

第四条  

同一の不動産について登記した権利の順位は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記の前後による。

民法(明治二十九年四月二十七日法律第八十九号)

第百七十七条  

不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法 (平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。 

 

 

5.申請方法

共同申請だけでなく単独申請(登記権利者)も可能。共同申請の場合において、登記識別情報の提供は不要。

第百七条  

仮登記は、仮登記の登記義務者の承諾があるとき及び次条に規定する仮登記を命ずる処分があるときは、第六十条の規定にかかわらず、当該仮登記の登記権利者が単独で申請することができる。

2  仮登記の登記権利者及び登記義務者が共同して仮登記を申請する場合については、第二十二条本文の規定は、適用しない。 

第二十二条  

(・・・)共同して権利に関する登記の申請をする場合(・・・)には、申請人は、その申請情報と併せて登記義務者(・・・)の登記識別情報を提供しなければならない。(・・・)。

第百九条  

所有権に関する仮登記に基づく本登記は、登記上の利害関係を有する第三者(・・・)がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。

2  登記官は、前項の規定による申請に基づいて登記をするときは、職権で、同項の第三者の権利に関する登記を抹消しなければならない。

 

百十条  

仮登記の抹消は、第六十条の規定にかかわらず、仮登記の登記名義人が単独で申請することができる。仮登記の登記名義人の承諾がある場合における当該仮登記の登記上の利害関係人も、同様とする。

 

 

(単独申請の場合の)登記義務者の承諾

不動産登記令19条1項に該当する承諾書であり、印鑑証明書は3カ月以内のものでなくてもよい。

 

不動産登記令(平成十六年十二月一日政令第三百七十九号)

第十九条  

第七条第一項第五号ハ若しくは第六号の規定又はその他の法令の規定により申請情報と併せて提供しなければならない同意又は承諾を証する情報を記載した書面には、法務省令で定める場合を除き、その作成者が記名押印しなければならない。

2  前項の書面には、官庁又は公署の作成に係る場合その他法務省令で定める場合を除き、同項の規定により記名押印した者の印鑑に関する証明書を添付しなければならない。

 

第七条

六  前各号に掲げるもののほか、別表の登記欄に掲げる登記を申請するときは、同表の添付情報欄に掲げる情報

 

(別表 仮登記 六十八 仮登記の登記義務者の承諾がある場合における法第百七条第一項の規定による仮登記)

イ 登記原因を証する情報

ロ 仮登記の登記義務者の承諾を証する当該登記義務者が作成した情報

 

参考

第十六条

3  前項の印鑑に関する証明書は、作成後三月以内のものでなければならない。 

 

6.記録方法

甲区に主登記でなされるもの

所有権移転仮登記、所有権移転請求権仮登記、始期付所有権移転仮登記、条件付所有権移転仮登記、仮登記した所有権移転の仮登記、

甲区に付記登記

仮登記した所有権の移転請求権の移転登記、仮登記した所有権の移転請求権の移転請求権の仮登記

 

乙区に主登記でなされるもの

抵当権設定仮登記、抵当権設定請求権仮登記、始期付抵当権設定仮登記、条件付抵当権設定仮登記、

乙区に付記登記

抵当権移転仮登記、仮登記した抵当権の移転の仮登記、仮登記した抵当権の移転請求権の移転登記、仮登記した抵当権の設定請求権の移転請求権の仮登記