司法書士法人 貝原事務所(沼津市の司法書士)

司法書士法人 貝原事務所(沼津市の司法書士)のブログです。業務に関連する話題はもちろん、それ以外の話題でも、関心を持った範囲で投稿してまいります。

本ブログに記載する情報(とくに法律・登記関係)の利用については、あくまで参考としてご活用ください。
弊所が情報の完全性を保証するものではありませんのでご留意ください。

 

社外取締役・社外監査役

とある会社の登記情報を確認していたところ、「社外取締役」との登記がなされていました。

普通の取締役会設置会社で、とくに責任限定契約を締結しているわけでもないのになぜと思い調べてみる。

理由はお察し。。

 

 

1.商法時代

実体として社外役員である者については必ず登記をすべきこととされていた。

商法(明治32年3月9日法律第48号。平成17年法律第87号での一部改正前。)

第百八十八条

2 前項ノ登記ニ在リテハ左ノ事項ヲ登記スルコトヲ要ス

(・・・)

七ノ二 取締役ガ其ノ会社ノ業務ヲ執行セザル取締役ニシテ過去ニ其ノ会社又ハ子会社(・・・)ノ業務ヲ執行スル取締役、執行役又ハ支配人其ノ他ノ使用人トナリタルコトナク且現ニ子会社ノ業務ヲ執行スル取締役若ハ執行役又ハ其ノ会社若ハ子会社ノ支配人其ノ他ノ使用人ニ非ザルモノ(以下社外取締役ト称ス)ナルトキハ其ノ旨

(・・・)

 

 

 

2.会社法施行時

(1)会社法への改正時

社外役員については、その社外性が法律的に異議を有する場合にのみ登記をすることとなった(例:監査役会の設置。責任限定契約の締結。)

(2)会社法改正時の経過措置

会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成十七年七月二十六日法律第八十七号)

7  旧株式会社についてこの法律の施行の際現に旧商法第百八十八条第二項第七号ノ二に掲げる事項の登記がある場合は、第六十六条第一項前段の規定により存続する株式会社は、会社法第九百十一条第三項第二十一号、第二十二号又は第二十四号に規定する場合のいずれにも該当しないときも、当該登記に係る取締役の任期中に限り、当該登記の抹消をすることを要しない

 条文は参照しないが、会社法施行時の911条3項21号は「特別取締役による議決の定め」、第22号は「委員会設置会社」、第24号は「役員等の責任免除規定」。

 

 

3.「社外」要件の変更とそれに伴う登記事項の変更

(1)「社外」要件の変更(平成二六年六月二七日法律第九〇号)

従来よりも「社外性」が厳格に変更されるとともに、責任限定契約が締結可能となる取締役・監査役が新たに「業務を執行しない取締役」等に変更された。

(2)登記事項の変更

上記より、①従来「社外取締役」等と登記されていた役員が「社外」でなくなり登記を変更する必要が生じ、②責任限定契約に関して、社外取締役等を登記する必要がなくなった。

(3)経過措置

会社法

附則(平成二六年六月二七日法律第九〇号)

第四条  

この法律の施行の際現に旧会社法第二条第十五号に規定する社外取締役又は同条第十六号に規定する社外監査役を置く株式会社の社外取締役又は社外監査役については、この法律の施行後最初に終了する事業年度に関する定時株主総会終結の時までは、新会社法第二条第十五号又は第十六号の規定にかかわらず、なお従前の例による

第二十二条

2  株式会社についてこの法律の施行の際現に旧会社法第九百十一条第三項第二十五号又は第二十六号の規定による登記がある場合は、当該株式会社は、当該登記に係る取締役又は監査役の任期中に限り、当該登記の抹消をすることを要しない

条文は参照しないが、旧25号は「責任限定契約に関する定款規定のある会社の社外取締役の登記」、旧26号は「同定款規定のある社外監査役の登記」。