司法書士法人 貝原事務所(沼津市の司法書士)

司法書士法人 貝原事務所(沼津市の司法書士)のブログです。業務に関連する話題はもちろん、それ以外の話題でも、関心を持った範囲で投稿してまいります。

本ブログに記載する情報(とくに法律・登記関係)の利用については、あくまで参考としてご活用ください。
弊所が情報の完全性を保証するものではありませんのでご留意ください。

 

合同会社と電子定款と作成代理

合同会社の定款については、公証人の認証が不要(「不要」と書いてあるわけではなく、株式会社では必要と明示されている条文が合同会社持分会社)については存在しないから不要とされている。つまり、厳密に理解するためには、会社法およびその関連法案にそのような条文がないことを確認しなければならない!!)。

会社法

第五百七十五条  合名会社、合資会社又は合同会社(以下「持分会社」と総称する。)を設立するには、その社員になろうとする者が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。

2  前項の定款は、電磁的記録をもって作成することができる。この場合において、当該電磁的記録に記録された情報については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 

第二十六条  株式会社を設立するには、発起人が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。

2  前項の定款は、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)をもって作成することができる。この場合において、当該電磁的記録に記録された情報については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。 

第三十条  第二十六条第一項の定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない。

2  前項の公証人の認証を受けた定款は、株式会社の成立前は、第三十三条第七項若しくは第九項又は第三十七条第一項若しくは第二項の規定による場合を除き、これを変更することができない。

  

そして作成された(書面の)定款は印紙税の課税対象となる。

国税庁のHP)https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/inshi/24/01.htm

印紙税法(昭和四十二年五月三十一日法律第二十三号)

第二条  別表第一の課税物件の欄に掲げる文書には、この法律により、印紙税を課する。

別表第一 課税物件表(第二条―第五条、第七条、第十一条、第十二条関係)

課税物件六           定款

定義1 定款は、会社(相互会社を含む。)の設立のときに作成される定款の原本に限るものとする。

課税標準及び税率 一通につき四万円

非課税物件1 株式会社又は相互会社の定款のうち、公証人法第六十二条ノ三第三項(定款の認証手続)の規定により公証人の保存するもの以外のもの

  

設立登記申請の際には定款の添付が必要。

商業登記法

第百十七条  設立の登記の申請書には、法令に別段の定めがある場合を除き、会社法第五百七十八条 に規定する出資に係る払込み及び給付があつたことを証する書面を添付しなければならない。 

第百十八条  第四十七条第一項、第四十八条から第五十三条まで、第九十三条、第九十四条、第九十六条から第百一条まで及び第百三条の規定は、合同会社の登記について準用する。

第九十四条  設立の登記の申請書には、次の書面を添付しなければならない。

 定款

二  合名会社を代表する社員が法人であるときは、次に掲げる書面

イ 当該法人の登記事項証明書。ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の本店又は主たる事務所がある場合を除く。

ロ 当該社員の職務を行うべき者の選任に関する書面

ハ 当該社員の職務を行うべき者が就任を承諾したことを証する書面

三  合名会社の社員(前号に規定する社員を除く。)が法人であるときは、同号イに掲げる書面。ただし、同号イただし書に規定する場合を除く。

  

添付される定款については、法文上「署名、記名押印または法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置」が必要となる(上で引用した会社法575条参照。)。

法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置」とは、電磁的記録により定款が作成された場合であるが、この点については次の規定に留意。

商業登記規則

第十九条の二  登記の申請書に添付すべき定款、議事録若しくは最終の貸借対照表が電磁的記録で作られているとき、又は登記の申請書に添付すべき書面につきその作成に代えて電磁的記録の作成がされているときは、当該電磁的記録に記録された情報の内容を記録した電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を当該申請書に添付しなければならない。

第三十六条については、長いので省略。

 

株式会社設立の際には、公証人より交付される「本書面は、電子定款に係る電磁的記録に記録された情報と同一である」旨の奥書証明がなされた定款の謄本を添付しているのですが(データそのものを送信してもOK。)、この根拠条文は。。。(商業登記ハンドブック第三版P.84、108、622参照。謄本相当のものであるから、例外的に認められるという趣旨なのだろうか?あるいは、そのものズバリの先例があるのか?)

以下は、公証人法の記述(いまだに現代語化されていない。。)

公証人法

第六十二条ノ七  指定公証人ハ法務省令ノ定ムルトコロニ依リ前条第一項又ハ第二項ノ規定ニ依リ認証ヲ受ケタル電磁的記録ニ記録セラレタル情報ノ同一性ヲ確認スルニ足ル情報ヲ保存ス

2 嘱託人ハ前条第一項又ハ第二項ノ規定ニ依リ認証ヲ受ケタル電磁的記録ニ記録セラレタル情報ト同一ノ情報ヲ記録シタル電磁的記録ノ保存ヲ請求スルコトヲ得

3 嘱託人、其ノ承継人又ハ電磁的記録ノ趣旨ニ付法律上利害ノ関係ヲ有スルコトヲ証明シタル者ハ左ノ証明又ハ情報ノ提供ヲ請求スルコトヲ得

一  自己ノ保有スル電磁的記録ニ記録セラレタル情報ト第一項ニ規定スル電磁的記録ニ記録セラレタル情報トガ同一ナルコトニ関スル証明

二  第二項ノ規定ニ依リ保存セラレタル電磁的記録ニ記録セラレタル情報ト同一ノ情報ノ提供

前項第二号ノ情報ノ提供ハ法務省令ノ定ムルトコロニ依リ同号ノ電磁的記録ノ内容ヲ証スル書面ノ交付ヲ以テ之ヲ為スコトヲ得

5 前条第三項ノ規定ハ第二項及第三項ノ請求ニ之ヲ準用ス

 

商業登記法

第百二条

2  申請人等は、法令の規定により登記の申請書に添付すべき書面(法第十九条の二 に規定する電磁的記録を含む。)があるときは、法務大臣の定めるところに従い、当該書面に代わるべき情報にその作成者(認証を要するものについては、作成者及び認証者。第五項において同じ。)が前項に規定する措置を講じたもの(以下「添付書面情報」という。)を送信しなければならない。ただし、添付書面情報の送信に代えて、登記所に当該書面を提出し、又は送付することを妨げない

5  申請人等が添付書面情報を送信するときは、次の各号に掲げる情報の区分に応じ、それぞれ当該情報の作成者が第一項に規定する措置を講じたものであることを確認するために必要な事項を証する情報であつて当該各号に定めるものを併せて送信しなければならない。

一  委任による代理人の権限を証する情報 第三項各号に掲げる電子証明書

二  前号に規定する情報以外の情報 前項各号に掲げる電子証明書又は指定公証人の行う電磁的記録に関する事務に関する省令第三条第一項 に規定する指定公証人電子証明書

 

 一方で、公証人の認証を受けない合同会社の電子定款について、「本書面は、電子定款に係る電磁的記録に記録された情報と同一である」旨の奥書証明を公証人以外の者がしたとしても、それをもって定款謄本とは認められないとしている(商業登記ハンドブック第三版P.84、108、622参照。)。

とはいえ、電子定款における電子署名については法律上で必要な要件が細かく定められている一方で、紙定款に対して記名捺印を行う際の印鑑については定めがおかれていない。ゆえに印鑑証明書の添付も登記申請上は必要でないとされる。

電磁的記録で作成した場合については、法律上その要件が細かく定められていることから、一般人の奥書証明では不可という結論になるのだろうか(したがって、紙でつくって印紙を貼るか、個人の電子署名を用意し個人で電子申請をするか、司法書士に委任するかの選択を迫られることに。)。

 

 

なお司法書士(個人)の電子署名については、条文上は以下が該当する。

商業登記法

第十九条の二  登記の申請書に添付すべき定款、議事録若しくは最終の貸借対照表が電磁的記録で作られているとき、又は登記の申請書に添付すべき書面につきその作成に代えて電磁的記録の作成がされているときは、当該電磁的記録に記録された情報の内容を記録した電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を当該申請書に添付しなければならない。

 

商業登記規則

第三十六条  法第十九条の二 の法務省令で定める電磁的記録は、第三十三条の六第四項第一号に該当する構造の電磁的記録媒体でなければならない。

2  前項の電磁的記録には、法務大臣の指定する方式に従い、法第十九条の二 に規定する情報を記録しなければならない。

3  前項の情報は、法務大臣の指定する方式に従い、当該情報の作成者(認証を要するものについては、作成者及び認証者。次項において同じ。)が第三十三条の四に定める措置を講じたものでなければならない

4  第一項の電磁的記録には、当該電磁的記録に記録された次の各号に掲げる情報の区分に応じ、当該情報の作成者が前項の措置を講じたものであることを確認するために必要な事項を証する情報であつてそれぞれ当該各号に定めるものを、法務大臣の指定する方式に従い、記録しなければならない。

一  委任による代理人の権限を証する情報 次に掲げる電子証明書のいずれか

イ 第三十三条の八第二項(他の省令において準用する場合を含む。)に規定する電子証明書  ※これが登記所発行の電子証明書司法書士法人の証明はこれ)

ロ 電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律 (平成十四年法律第百五十三号)第三条第一項 の規定により作成された署名用電子証明書  ※これはマイナンバーカードに記録される個人の電子証明書(個人的には、これが欲しいのだが、カード発行に半年以上かかるため取得できていない。)。

ハ 氏名、住所、出生の年月日その他の事項により当該措置を講じた者を確認することができるものとして法務大臣の指定する電子証明書

二  前号に規定する情報以外の情報 次に掲げる電子証明書のいずれか

イ 前号イ、ロ又はハに掲げる電子証明書

ロ 指定公証人の行う電磁的記録に関する事務に関する省令 (平成十三年法務省令第二十四号)第三条第一項 に規定する指定公証人電子証明書 ※電子認証を受けた定款に付されているのは、この署名(証明?)。

ハ その他法務大臣の指定する電子証明書 司法書士の署名はここに該当。詳細はリンク先(http://www.moj.go.jp/MINJI/minji41-1.html)の「電子署名に使用できる電子証明書」の欄を参照。

第三十三条の四  法第十二条の二第一項第一号 の法務省令で定める措置は、電磁的記録に記録することができる情報に、工業標準化法 (昭和二十四年法律第百八十五号)に基づく日本工業規格(以下「日本工業規格」という。)X五七三一―八の附属書Dに適合する方法であつて同附属書に定めるnの長さの値が千二十四ビット又は二千四十八ビットであるものを講ずる措置とする。

  

 

最後に、司法書士が登記申請に際して、あわせて定款作成を代理すること(そして電子証明を付すこと)について。

平成18年01月20日民商136(民商135)回答

商業・法人登記の申請書に、司法書士が作成代理人として記名押印又は署名をしている定款(公証人の認証が必要な場合にあっては、その認証を受けた定款)が添付されている場合において、他に却下事由がないときは、当該申請を受理して差し支えない