司法書士法人 貝原事務所(沼津市の司法書士)

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本ブログに記載する情報(とくに法律・登記関係)の利用については、あくまで参考としてご活用ください。
弊所が情報の完全性を保証するものではありませんのでご留意ください。

 

会社法における「出資の履行」と商業登記

1.会社法

(1)株式会社

会社法

第三十四条  発起人は、設立時発行株式の引受け後遅滞なく、その引き受けた設立時発行株式につき、その出資に係る金銭の全額を払い込み、又はその出資に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならない。ただし、発起人全員の同意があるときは、登記、登録その他権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、株式会社の成立後にすることを妨げない。

2  前項の規定による払込みは、発起人が定めた銀行等(銀行(銀行法 (昭和五十六年法律第五十九号)第二条第一項 に規定する銀行をいう。第七百三条第一号において同じ。)、信託会社(信託業法 (平成十六年法律第百五十四号)第二条第二項 に規定する信託会社をいう。以下同じ。)その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)の払込みの取扱いの場所においてしなければならない。 

 

銀行法

第二条  この法律において「銀行」とは、第四条第一項の内閣総理大臣の免許を受けて銀行業を営む者をいう。 

 

このなかには,シティバンク銀行株式会社や株式会社ゆうちょ銀行,外国銀行支店(JPモルガン・チェース銀行や交通銀行の日本支店など)が含まれる。なお信用金庫は銀行法に規定されるものではないので留意。

ここから考えると,日本の銀行の海外支店に払込するのはOKか?

 

銀行法

第四十七条  外国銀行が日本において銀行業を営もうとするときは、当該外国銀行は、内閣府令で定めるところにより、当該外国銀行の日本における銀行業の本拠となる一の支店(以下この章において「主たる外国銀行支店」という。)を定めて、第四条第一項の内閣総理大臣の免許を受けなければならない。

2  前項の規定により、外国銀行が第四条第一項の内閣総理大臣の免許を受けたときは、その主たる外国銀行支店及び当該外国銀行の日本における他の支店その他の営業所(以下この章において「従たる外国銀行支店」という。)(以下この章において「外国銀行支店」と総称する。)を一の銀行とみなし、当該外国銀行の日本における代表者を当該一の銀行とみなされた外国銀行支店の取締役とみなして、この法律の規定を適用する。(・・・)。 

 さきほどの払込金融機関に関する法務省令の定めは次の通り。

会社法施行規則

第七条  法第三十四条第二項 に規定する法務省令で定めるものは、次に掲げるものとする。

一  株式会社商工組合中央金庫

二  農業協同組合法 (昭和二十二年法律第百三十二号)第十条第一項第三号 の事業を行う農業協同組合又は農業協同組合連合会

三  水産業協同組合法 (昭和二十三年法律第二百四十二号)第十一条第一項第四号 、第八十七条第一項第四号、第九十三条第一項第二号又は第九十七条第一項第二号の事業を行う漁業協同組合、漁業協同組合連合会水産加工業協同組合又は水産加工業協同組合連合会

四  信用協同組合又は中小企業等協同組合法 (昭和二十四年法律第百八十一号)第九条の九第一項第一号 の事業を行う協同組合連合会

五  信用金庫又は信用金庫連合会

六  労働金庫又は労働金庫連合会

七  農林中央金庫

 

 登記申請時の取扱は次の通り。 

商業登記法

第五節 株式会社の登記

第四十七条

2  設立の登記の申請書には、法令に別段の定めがある場合を除き、次の書面を添付しなければならない。

(・・・)

五  会社法第三十四条第一項 の規定による払込みがあつたことを証する書面(同法第五十七条第一項 の募集をした場合にあつては、同法第六十四条第一項 の金銭の保管に関する証明書)

(・・・)

 

  

(2)合同会社

他方、合同会社ではどのようになっているのかを確認すると。

会社法

第五百七十八条  設立しようとする持分会社合同会社である場合には、当該合同会社の社員になろうとする者は、定款の作成後、合同会社の設立の登記をする時までに、その出資に係る金銭の全額を払い込み、又はその出資に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならない。ただし、合同会社の社員になろうとする者全員の同意があるときは、登記、登録その他権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、合同会社の成立後にすることを妨げない。

 

株式会社における会社法第34条2項に該当する条項がない! 

そのため、当然ながら、登記申請上で要求される書面についての記載にも相違が。。

商業登記法

第八節 合同会社の登記

第百十七条  設立の登記の申請書には、法令に別段の定めがある場合を除き、会社法第五百七十八条 に規定する出資に係る払込み及び給付があつたことを証する書面を添付しなければならない。

第百十八条  第四十七条第一項、第四十八条から第五十三条まで、第九十三条、第九十四条、第九十六条から第百一条まで及び第百三条の規定は、合同会社の登記について準用する。  

第九十三条  登記すべき事項につき総社員の同意又はある社員若しくは清算人の一致を要するときは、申請書にその同意又は一致があつたことを証する書面を添付しなければならない。 

第九十四条  設立の登記の申請書には、次の書面を添付しなければならない。

一  定款

二  合名会社を代表する社員が法人であるときは、次に掲げる書面

イ 当該法人の登記事項証明書。ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の本店又は主たる事務所がある場合を除く。

ロ 当該社員の職務を行うべき者の選任に関する書面

ハ 当該社員の職務を行うべき者が就任を承諾したことを証する書面

三  合名会社の社員(前号に規定する社員を除く。)が法人であるときは、同号イに掲げる書面。ただし、同号イただし書に規定する場合を除く。

  なお、この「会社法第五百七十八条 に規定する出資に係る払込み及び給付があつたことを証する書面」については、株式会社のそれに準じる取扱いであるのに加え、代表社員の作成に係る出資金領収書でも良いとされる(根拠未確認。)。

 

2.外国の通貨による出資の履行

 (1)株式会社

会社計算規則

第四十三条  法第二十五条第一項 各号に掲げる方法により株式会社を設立する場合における株式会社の設立時に行う株式の発行に係る法第四百四十五条第一項 に規定する株主となる者が当該株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額とは、第一号及び第二号に掲げる額の合計額から第三号に掲げる額を減じて得た額(零未満である場合にあっては、零)とする。

一  法第三十四条第一項 又は第六十三条第一項 の規定により払込みを受けた金銭の額(次のイ又はロに掲げる場合における金銭にあっては、当該イ又はロに定める額)

イ 外国の通貨をもって金銭の払込みを受けた場合(ロに掲げる場合を除く。) 当該外国の通貨につき払込みがあった日の為替相場に基づき算出された金額

ロ 当該払込みを受けた金銭の額(イに定める額を含む。)により資本金又は資本準備金の額として計上すべき額を計算することが適切でない場合 当該金銭の当該払込みをした者における当該払込みの直前の帳簿価額

二 (・・・)

三  法第三十二条第一項第三号 に掲げる事項として、設立に要した費用の額のうち設立に際して資本金又は資本準備金の額として計上すべき額から減ずるべき額と定めた額 

会社法

第四百四十五条  株式会社の資本金の額は、この法律に別段の定めがある場合を除き、設立又は株式の発行に際して株主となる者が当該株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額とする。 

 

(2)合同会社

会社計算規則

第四十四条  持分会社の設立(新設合併及び新設分割による設立を除く。以下この条において同じ。)時の資本金の額は、第一号に掲げる額から第二号に掲げる額を減じて得た額(零未満である場合にあっては、零)の範囲内で、社員になろうとする者が定めた額(零以上の額に限る。)とする。

一  設立に際して出資の履行として持分会社が払込み又は給付を受けた財産(以下この条において「出資財産」という。)の出資時における価額(次のイ又はロに掲げる場合における出資財産にあっては、当該イ又はロに定める額)

イ 当該持分会社と当該出資財産の給付をした者が共通支配下関係となる場合(当該出資財産に時価を付すべき場合を除く。) 当該出資財産の当該払込み又は給付をした者における当該払込み又は給付の直前の帳簿価額

ロ イに掲げる場合以外の場合であって、当該給付を受けた出資財産の価額により資本金又は資本剰余金の額として計上すべき額を計算することが適切でないとき イに定める帳簿価額

二  設立時の社員になろうとする者が設立に要した費用のうち、設立に際して資本金又は資本剰余金の額として計上すべき額から減ずるべき額と定めた額  

会社計算規則43条1項と書きっぷりが異なる。。

合同会社でも外国の通貨による出資履行が認められるのか?

どこかで準用されているのか??