司法書士法人 貝原事務所(沼津市の司法書士)

司法書士法人 貝原事務所(沼津市の司法書士)のブログです。業務に関連する話題はもちろん、それ以外の話題でも、関心を持った範囲で投稿してまいります。

本ブログに記載する情報(とくに法律・登記関係)の利用については、あくまで参考としてご活用ください。
弊所が情報の完全性を保証するものではありませんのでご留意ください。

 

変体仮名の読み方

変体仮名の読み方で困った話。

 

f:id:o-kai_up-to-date:20170821100902p:plain

 

小さく表記されていたので「た」なのかと早とちりしていました。

しかしながら、変体仮名「た」で検索しても、該当するものが出てきませんでした。

普段なら、分解して検索すれば直ぐに分かるのですが、

「木偏」と「こ」で構成されていると、これまた勘違い。

「き こ」「木 こ」「木 こ」とか、いろいろ検索しても不明。

 

自分では調べきれなかったので、頼りになる方に聞いたところ

「お」と判明。

 

戸籍統一文字番号は「900140」です。

法務省 戸籍統一文字情報 トップ

「於」の崩し字とのこと。

平成28年3月11日民二第219号通達について

従来、相続関係を証する書面として本来添付しなければならない戸籍が、滅失等で添付不可である場合には、「完全には相続関係が確認できない」と考えられることから、①「市町村長の廃棄証明書」および②「ほかに相続人がいない旨の相続人全員による証明書」を追加的に添付すべしとされていました(昭和44年3月3日民甲第373号回答)。

この取り扱いを改め、結論として、必要な戸籍が滅失等で添付不可である場合には、上記①のみを追加的に添付すれば良いとしたのが掲題通達。

 

解説としては、たとえば登記情報655号P29以下を参照。

取り扱い変更にいたる理由は、要するに

(1)現に登記申請に関係する相続人と、被相続人との関係が数世代離れているケースが増加しており、そうした場合に「ほかに相続人がいない」との証明を求めるのは不可能。

(2)除籍等が滅失しているのは相続人に帰責することができない事由によるもので、そのことによる負担を相続人に転嫁すべきではない。

という理由が強いのではないでしょうか。従来から、実体関係を証明するという役割よりも、相続人が保証する(責任をもつ)という意味合いの強い書面でしたので。。。

 

 

従来の先例との関係

(1)先述の昭和44年回答

掲題通達で取り扱いが改められ、「ほかに相続人はいない」との証明書は不要に。

(2)昭和55年2月14日民三第867号回答

相続人の続柄の記載から、他の相続人の存在が推定される場合においても、廃棄証明の添付があれば、「ほかに相続人はいない」との証明書は不要(残存除籍等において子の続柄が「二男」から始まっているが、長男について記載はないケースなど。)。

(3)昭和58年3月2日民三第1311号回答

「一切の責任をもつ」旨の相続人1名の差入れ書は不可。

(4)平成11年6月22日民三第1259号回答

判決理由中に「ほかに相続人がいない」との認定がなされているときは、「ほかに相続人はいない」との証明書に代えることができるとするものであったが、以後は「いない証明」自体が不要。

 

 

その他留意点

(1)

紛争防止の観点から、遺産分割協議書にあえて「他に相続人はいない」旨の記載をすることがあります。本通達以降においても、こうした実務対応を否定するものではなく、状況の応じて「いない」旨の証明書を作成・添付することを検討すべき。

(2)

市町において「廃棄証明(廃棄したことにより証明書発行が不能であることを証明するもの)」を発行しない場合においては、「交付不能書面(該当する書面の交付はできないことを証明するもの)」を提供することでも対応可能とする。

沿線住宅地の空き家問題

関西・私鉄系不動産:空き家の増加は「ビジネスチャンス」 - 毎日新聞

 

記事のタイトルと内容が若干食い違う気もしますが。

従前の私鉄沿線地区としてのブランドを守るために、積極的に当該私鉄系の不動産会社が対応に乗り出したというもの。

 

沿線地区には、沿線地区なりの課題もあるのかもしれませんが、

はえい、こうした不動産流通がそれなりに見込まれそうな地区でも

空き家数の増加が顕著というのが驚きというか、困惑というか。。

監査役の任期

以下、条文は特段表記がない限り、会社法(平成十七年七月二十六日法律第八十六号)。

 

1.基本

第三百三十六条  

監査役の任期は、選任後四年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までとする。

2  前項の規定は、公開会社でない株式会社において、定款によって、同項の任期を選任後十年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時まで伸長することを妨げない。

3  第一項の規定は、定款によって、任期の満了前に退任した監査役の補欠として選任された監査役の任期を退任した監査役の任期の満了する時までとすることを妨げない。

4  (・・・)

2項記載のとおり、任期を短縮することはできない(取締役との比較)。

ただし、短縮禁止の例外として3項は、補欠監査役(「任期の満了前に退任した監査役の補欠として選任された監査役」)の任期を、前任監査役の任期満了予定まで短縮することを条件付きで認めている。

 

 

2.補欠監査役

「補欠監査役」という言葉は、「任期満了前に退任した者の後任者(広義の補欠)」という意味と、「前任者の残存任期に任期が短縮される後任者(狭義の補欠)」という意味で利用される(ハンドブックP438参照)。

本稿では狭義の補欠の意味で利用し、また予選についても検討対象外。というわけで、任期満了前に退任する監査役が発生し、その後任を選任する場面を念頭に置く。

以上の前提で、「補欠監査役」となる要件は、

(1)定款の定め

(2)前任者の補欠として選任されること

(3)補欠として選任されたことが株主総会(議事録)で明示されていること。

 

なお、登記申請の際、選任時において定款添付は不要であり、退任時も総会議事録に「任期満了」と記載されていれば任期を証するために選任時の総会議事録を添付する必要はない(ハンドブックP452注のなお書きも参照)。

 

 

3.会社法以前の取扱い

これが本題。従前は次の先例に従って考えられていた。 

昭和36年8月14日民事甲2016号回答

質問 取締役、監査役全員が辞任した場合、新たに取締役および監査役を選任してこれらを補充することも補欠選挙と解し、新任取締役および監査役の任期は前任取締役および監査役の残存期間として、取り扱って差し支えないか。

会社の定款には「取締役の任期は2年、監査役の任期は1年とする。ただし、補充または増員により就任したる取締役および監査役の任期は前任者の残存期間とする。」と定められている。

回答 新任者の任期間は前任者の残存任期間とみるべきでない。 

ほかの参考文献を直接確認出来なかったが、補欠規定は、あくまで「監査役同士の任期を揃えるため」のものと考えられていたようだ。

そのため、1名の監査役が任期途中で退任した場合や、複数の監査役全員が同時に任期途中で退任した場合には、監査役同士の任期調整をする必要がないため補欠規定の適用が否定されていた(役員全員の任期調整という視点はなかった。。)。

 

ちなみに旧商法の規定はこちら。

第二百七十三条

3 前二項ノ規定ハ定款ヲ以テ任期ノ満了前ニ退任シタル監査役ノ補欠トシテ選任セラレタル監査役ノ任期ヲ退任シタル監査役ノ任期ノ満了スベキ時迄ト為スコトヲ妨ゲズ

 

仮登記について(総論的なところ)

1.仮登記とは

後日の本登記(対抗力を備えた登記)のため、予め登記順位を保全するもの。

1号仮登記:物権変動が生じている場合

2号仮登記:物権変動を求めることができる債権的な請求権の保全を必要とする場合 

不動産登記法(平成十六年六月十八日法律第百二十三号)

第百五条  

仮登記は、次に掲げる場合にすることができる。

一  第三条各号に掲げる権利について保存等があった場合において、当該保存等に係る登記の申請をするために登記所に対し提供しなければならない情報であって、第二十五条第九号の申請情報と併せて提供しなければならないものとされているもののうち法務省令で定めるものを提供することができないとき

二  第三条各号に掲げる権利の設定、移転、変更又は消滅に関して請求権(始期付き又は停止条件付きのものその他将来確定することが見込まれるものを含む。)を保全しようとするとき。

第三条  

登記は、不動産の表示又は不動産についての次に掲げる権利の保存等(保存、設定、移転、変更、処分の制限又は消滅をいう。(・・・)。)についてする。

一  所有権

(・・・)

七  抵当権

八  賃借権

(・・・)

(以下、法律名の記載のない条文は不動産登記法) 

 

2.1号仮登記

不動産登記法105条にいう「提供しなければならないもの」とは?

不動産登記規則(平成十七年二月十八日法務省令第十八号)

第百七十八条  

法第百五条第一号 に規定する法務省令で定める情報は、登記識別情報又は第三者の許可、同意若しくは承諾を証する情報とする。

なお、印鑑証明書は該当しない(昭和29年10月5日民事甲2022通達)。

また、あくまで許可書等の書類が添付できない場合にするものなので、許可自体が取得できていない場合には2号仮登記をすべき事案となる。

 

 

3.2号仮登記

例:

原因 平成○年○月○日 売買予約

原因 平成○年○月○日 売買 (始期 平成○年○月○日)

原因 平成○年○月○日 売買 (条件 農地法第3条の許可)

 

 

4.仮登記の効力

順位保全効。「本登記の順位は、仮登記の順位による。」 

第百六条  

仮登記に基づいて本登記(仮登記がされた後、これと同一の不動産についてされる同一の権利についての権利に関する登記であって、当該不動産に係る登記記録に当該仮登記に基づく登記であることが記録されているものをいう。以下同じ。)をした場合は、当該本登記の順位は、当該仮登記の順位による。

仮登記に対抗力はないが、仮登記による本登記は、仮登記の順位を引き継ぐ。そのため、当該本登記(見た目としては「仮登記」)に遅れる登記に対して優位となる。

とはいえ、仮登記自体に対抗力はないので、仮登記から本登記をするまでのあいだは仮登記権利者が劣後するケースもある(遡及効はない。)。 

第四条  

同一の不動産について登記した権利の順位は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記の前後による。

民法(明治二十九年四月二十七日法律第八十九号)

第百七十七条  

不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法 (平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。 

 

 

5.申請方法

共同申請だけでなく単独申請(登記権利者)も可能。共同申請の場合において、登記識別情報の提供は不要。

第百七条  

仮登記は、仮登記の登記義務者の承諾があるとき及び次条に規定する仮登記を命ずる処分があるときは、第六十条の規定にかかわらず、当該仮登記の登記権利者が単独で申請することができる。

2  仮登記の登記権利者及び登記義務者が共同して仮登記を申請する場合については、第二十二条本文の規定は、適用しない。 

第二十二条  

(・・・)共同して権利に関する登記の申請をする場合(・・・)には、申請人は、その申請情報と併せて登記義務者(・・・)の登記識別情報を提供しなければならない。(・・・)。

第百九条  

所有権に関する仮登記に基づく本登記は、登記上の利害関係を有する第三者(・・・)がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。

2  登記官は、前項の規定による申請に基づいて登記をするときは、職権で、同項の第三者の権利に関する登記を抹消しなければならない。

 

百十条  

仮登記の抹消は、第六十条の規定にかかわらず、仮登記の登記名義人が単独で申請することができる。仮登記の登記名義人の承諾がある場合における当該仮登記の登記上の利害関係人も、同様とする。

 

 

(単独申請の場合の)登記義務者の承諾

不動産登記令19条1項に該当する承諾書であり、印鑑証明書は3カ月以内のものでなくてもよい。

 

不動産登記令(平成十六年十二月一日政令第三百七十九号)

第十九条  

第七条第一項第五号ハ若しくは第六号の規定又はその他の法令の規定により申請情報と併せて提供しなければならない同意又は承諾を証する情報を記載した書面には、法務省令で定める場合を除き、その作成者が記名押印しなければならない。

2  前項の書面には、官庁又は公署の作成に係る場合その他法務省令で定める場合を除き、同項の規定により記名押印した者の印鑑に関する証明書を添付しなければならない。

 

第七条

六  前各号に掲げるもののほか、別表の登記欄に掲げる登記を申請するときは、同表の添付情報欄に掲げる情報

 

(別表 仮登記 六十八 仮登記の登記義務者の承諾がある場合における法第百七条第一項の規定による仮登記)

イ 登記原因を証する情報

ロ 仮登記の登記義務者の承諾を証する当該登記義務者が作成した情報

 

参考

第十六条

3  前項の印鑑に関する証明書は、作成後三月以内のものでなければならない。 

 

6.記録方法

甲区に主登記でなされるもの

所有権移転仮登記、所有権移転請求権仮登記、始期付所有権移転仮登記、条件付所有権移転仮登記、仮登記した所有権移転の仮登記、

甲区に付記登記

仮登記した所有権の移転請求権の移転登記、仮登記した所有権の移転請求権の移転請求権の仮登記

 

乙区に主登記でなされるもの

抵当権設定仮登記、抵当権設定請求権仮登記、始期付抵当権設定仮登記、条件付抵当権設定仮登記、

乙区に付記登記

抵当権移転仮登記、仮登記した抵当権の移転の仮登記、仮登記した抵当権の移転請求権の移転登記、仮登記した抵当権の設定請求権の移転請求権の仮登記

 

 

 

社会福祉法人の代表者

平成29年4月1日の改正法施行の前後で取扱いが異なる。

なお条文は、特段記載のない限り、社会福祉法(昭和二十六年三月二十九日法律第四十五号)。 

改正前

第三十八条  

理事は、すべて社会福祉法人の業務について、社会福祉法人を代表する。ただし、定款をもつて、その代表権を制限することができる。

 →「理事長」というのは法文上では観念されておらず、理事が代表権をもつことを前提としつつ、「代表権の制限された理事」を選任し代表者を決定していた。

そのため、登記上も、「代表権を有する者の資格」は「理事」であった。

 

改正後

第四十五条の十七  

理事長は、社会福祉法人の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。

→理事会により選定される理事長が代表権をもつ。登記上も、「代表権を有する者の資格」は「理事長」となる。 

 

附則がある。

附則第十五条  

この法律の施行の際現に在任する社会福祉法人の理事の代表権については、施行日以後に選定された理事長が就任するまでの間は、なお従前の例による。

 

平均的な一人暮らしの家計支出

業務の中で「平均的な一人暮らしの家計支出」はどのようなものか疑問に感じたので調べてみた。

以下の数字は、すべて家計調査・家計収支編・単身世帯・2016年年報より引用。
(「平成28年家計調査結果」(総務省統計局))

詳細はこちら→最新結果一覧 政府統計の総合窓口 GL08020101

 


1世帯当たり1か月間の支出(単身世帯のうち勤労者世帯)はつぎのとおり。


参考までに収入について。
実収入(税込み収入):308,892円
勤め先収入(勤め先からの収入):251,670円
可処分所得(いわゆる手取収入):254,877円

 

消費支出:171,455円
主な内訳としては、
食料:43,845円
住居:28,667円
光熱・水道:9,016円
被服及び履物:6,650円
情報通信関係費:9,825円
教養娯楽:21,348円
その他の消費支出:27,364円
交際費:11,305円


教養娯楽に入る項目として、支出が高そうなものは、
ゲームソフト、カメラ・デジタルカメラ等、旅行宿泊費、
習い事の月謝、スポーツクラブ、NHK放送受信料、文化施設入場料など。

その他の消費支出に入る項目として、支出が高そうなものは、
理美容サービス、石鹸・シャンプー等、装身具・腕時計、たばこなど。

交際費に入る項目として、支出が高そうなものは、
つきあい費、共益費、労働組合費、ご祝儀など。


住居費以外の項目については「こんなものだろう」という感想。
住居費が3万円弱というのは低すぎではないかと調べてみたら、
持家比率(住居費がゼロに近い人)が影響しているとのこと。
単身世帯の持ち家比率は26.7%、
家賃・地代を支払っている世帯の割合は63.1%。
ちなみに固定資産税は、非消費支出にカウントされる。

 


男女別、年齢層別というものもあった。

 

男・「~34歳」では、
消費支出:147,939円
食料:42,890円
住居:27,601円
持家比率:4.2%
光熱・水道:6,738円
被服及び履物:6,300円
情報通信関係費:8,718円
教養娯楽:20,318円
その他の消費支出:14,687円
交際費:8,173円

 

女・「~34歳」では、
消費支出:154,755円
食料:34,483円
住居:35,600円
持家比率:2.8%
光熱・水道:7,443円
被服及び履物:9,611円
情報通信関係費:9,698円
教養娯楽:19,516円
その他の消費支出:21,107円
交際費:6,770円

 

住居費に大きな差がでるのは持ち家比率の差だろうか。
消費支出で比較すると女性のほうが多い。
情報通信関係費(電話代等)で差がでているのが意外だった。